お腹の具合は脳やストレスに関係している!
「心理」にかかわる仕事をしていますので、人の心・・・脳についてとても興味があります。
また、小さいお子さんの療育にも携わっていますので、ASD(自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群)、ADHD(注意欠如・多動症)、にお腹の具合が関わっている!と聞くとそれはもう興味津々です。
お腹・・・つまり腸の具合がよくないと、お腹がゆるくなったり、はたまた便秘になったりしますよね。
これには腸のなかにはたくさん細菌がいて、その細菌たちがなにやらせっせと働いているらしいのですが、その働き具合と関係があるそうなのです。
細菌はいったい何をしているのか?
どうやらその細菌にも善玉細菌と悪玉細菌がいるらしいのです。
善玉コレステロールとか悪玉コレステロール、みたいな感じでしょうか?
・・・ちなみに私は以前から善玉コレステロールも悪玉コレステロールも数値がちょっと高め。
「悪玉がちょっと高いですが、善玉も高いんで、まぁ大丈夫でしょう」
と毎年の健康診断のたびに言われております。
ホンマに?
悪玉と善玉で相殺しちゃっていいの?
と心の中では思ったりしますけど、大丈夫なんだったらいいかなと思って深くは追求しておりません♪
さて、腸の中。
良い細菌がたくさんいると腸の調子が良くなって、だからお通じも良くなる。
これはなんとなくわかりますよね。
腸の中を見たことはないですが、お野菜を食べたり水分をとったり、ちゃーんと運動をしていると、お通じは良くなりますもんね。
きっと善玉細菌ががんばってくれているのでしょう。
一方、腸の中に悪玉菌が繁殖していたり菌の種類が少なかったりすると、お腹の具合がよろしくなくなってしまう・・・
だけじゃない!
ってことが、最近の研究でだんだん明らかになってきたそうです。
な・な・なんと腸の中の様子が、”脳”に関係しているのですって!
脳に関係しているということは、行動にも関係しているとも言えます。
研究によると、ASDやADHD、またうつ病の診断をされている方の腸内環境は、そうでない人とは少し違っていることがわかってきたそうです。
何が違うか?
そのキーワードが最近ちょこちょこ耳にする「腸内フローラ」とか「プロバイオティクス」というもののようです。
うーむ。
あ・や・し・い。
こ・と・も・な・い。
!?
調べてみました。
腸内フローラとは、さきほども登場した腸の中にどっさりいる細菌たちのことのようです。
参考→(ヤクルト中央研究所HPより「腸内フローラ」)
そして、プロバイオティクスとは、「抗生物質(アンチバイオティクス)」の反対の働きをするいわゆる善玉細菌のことをいうものだそうです。
じゃぁ抗生物質は悪玉なの?というとそういうことではなく、病気の原因になる細菌を”やっつける働き”をするものなんですね。
プロバイオティクスのほうは、いわゆる乳酸菌とかビフィズス菌もその一つなのだそうな。
参考→(公益財団法人 腸内細菌学会「プロバイオティクス」)
研究によりますと、プロバイオティクスと言われるものを食べて、腸のなかに善玉細菌を1ヶ月取り込むと、うつ、不安、身体症状といったストレス症状が少なくなったのだそうです。
そしてASDやADHDも、腸内フローラ環境をよくすると良くなっていく”可能性がある”とのこと。
”可能性がある”というところなんですね、今の段階では。
何か関連がありそうだけれども、まだもうちょっとちゃんと研究していく必要がある、ということなのですね。
腸内細菌についても、脳についても、腸内環境と脳の関係についても、まだまだ未知のことがたくさんありそうです。
これから研究を進めていただいて、謎を解明してくださればもっと未来は明るくなる!
楽しみに待ちたいと思います。
参考文献:功刀 浩,「腸内フローラと精神疾患 特に気分障害、自閉スペクトラム症について」,BRAIN and NERVE,vol.73-8,2021-8
ほか