空冷とか水冷とか知らなくてもバイクには乗れる。



”仮面ライダー”や”魔女っ子メグちゃん”で育った私としては、子どものころからバイクに乗ることに憧れていました。

ガッチャマンだってバイクみたいな乗り物に颯爽と乗っていましたよね。

魔女っ子メグちゃんでは「ノン」という女の子がバイクに乗っていました。

思春期に入ってからは”ホットロード”にも影響されました。

かっこいいヒーローやヒロインは大きいバイクに乗っているのですよ、なぜか。

峰不二子ちゃんも、乗ってますもんね。

尾崎豊も ”盗んだバイクで走り出”していた(?)わけです。大型バイクかどうかは知りませんけど。

それに、子どものころは自転車を乗り回しながら、4輪の車って、右ハンドルか左ハンドルでしょ、自分の身体の幅よりも大きいだけじゃなく、ハンドルの反対の方向に大きく広がっているわけで、そんなアシンメトリックな幅広なものをぶつらかないように操作するなんてとても難しそう!
と思っていました。

それよりも自転車と同じくらいの幅で運転できるバイクのほうが、取り回しがしやすいんじゃないの?

motor bike running close up photography

と、思っていたのですが、大人になってから新たな情報を入手。

実はバイクは手だけで操作するのではなく、足でギアを動かしたりブレーキをかけたりして、両手両足を動かしつつバランスをとって運転しなければならない、ということらしいのです。

難しそうなので無理かなぁやっぱり・・・それに周囲の女子で大型バイクの免許をとっている人を知らなかったこともあって、また実際に「危ない」というのもよく聞きましたので、なんとなくバイクの免許をとりたいという気持ちは薄く薄くなっていっていきました。


そんなこんなで月日が経ち。

一日一日はそれなりに満足し充足しているような時間を過ごしているつもりでしたが、ふと、あと10年、20年過ぎたとき・・・今と変わらず、何も残らない日々をすごしてしまい、あっという間に人生が終盤に向かうに違いないなぁ・・・と思ったのです。
40歳を過ぎると、30代では感じたことの無いような体力の衰えも感じるようになりました。

老眼・・・とかね・・・?


とにかく、人生やりたいことをやっておかねば!身体が動き、体力があるうちに!

もし、行動しないでいて後悔するものがあるとすれば・・・バイク!

そうだバイクに乗りたいと思っていたんだ!

と思い立ち、いまさらいい年をして・・・とは思ったものの教習所に通うことにしました。



教習所では、大きなバイクをデーンと倒してしまったり、どうしてもスピードを出すのが怖かったりして、教習所のトイレで「やっぱり向いてない・・・もうやめる・・・」と涙したこともありました・・・がなんとか中型をとってその後は大型もゲット!

祝!

免許をとってから間が開くときっと怖くて乗れなくなる!運転も忘れてしまう!と思ったので、極力間が空かないようにいきなりバイクを購入することにしました。

と言っても大型バイクなど買ったことはありませんでしたので、何をどう選べばよいのかわかりません。

とにかく

・マンガのかっこいい主人公は「ナナハン」に乗っていて、「ナナハン」というのは750ccのこと、だから(?)750cc以上のバイクを購入すること

・バイクをひっくり返したときに自力で起こせるように、極力軽いバイクにすること

・ネイキッドというタイプがママチャリのような姿勢で運転できそうなので、それにすること

・バイクについて気軽に相談に乗ってくれそうなお店で買うこと

という条件で探し始めました。


いくつかのお店に行きますと、免許をとったばかりだというのにちゃんと試乗させてもらえるんですね。

そしてついにすべての条件にあてはまるバイクを購入。

膝と腕、手袋にもプロテクターが入っている衣装、そしてフルフェイスのヘルメットも購入。

靴もギアチェンジのペダルに当たる部分はプロテクターが入っているものを履かねばなりません。

というのも、後日、慣れてきたときに普段使っている普通のブーツを履いてバイクに乗ったのですが、激しく後悔しました。

ギアチェンジのペダルに当たるところがみるみる傷んでしまうのです。足も痛いし。

おっかなびっくり乗り始めたのですが、最初は今考えると非常に危険な走行をしていたと思います。

原付バイクにも追い抜かされる!次の信号で自転車に追いつかれる!

めちゃくちゃスロースピードでした。

それも、さすがに距離を重ねてくるとそれなりに流れにあわせたスピードで”風”を感じて運転できるようになりました。


close up photography of parked motorcycle

バイクに乗り始めると「バイクに乗っている」というだけで男女を問わず声をかけてもらえるようになりました。

面白いものです。

たとえば、高速道路のPAで、母親のような年齢の方から「私の娘もバイクに乗ってるのよー、なんていうバイクなの?」とか。

観光バスの運転手さんやバスガイドさんたちから「どこに行くんですか?」「エンジンの音、聞かせてもらえませんか?」とか。

トラックの運転手さんから「これ空冷?水冷?」「マフラーかっこいいやん!?」とか。

・・・空冷エンジンか水冷エンジンかなど、正直言って私は知らんのです(汗)。私は故障せず、コケることなく走ればそれでいいのであります。ちなみに「空冷か水冷か」と聞かれたときは「・・・どっちなんでしょね?」と質問に質問で返したところ、「知らんでも乗れるわなぁ」と納得してくれました。バンザーイ♪

大型スポーツバイクに乗っているベテランの女性ライダーとも仲良くなりましたし、鈴鹿サーキットの「8耐」のプライベーターのサポートメンバーに入れてもらってピットをウロウロさせてもらうという得がたい体験もできました。
真夏の暑いときにフラフラになって・・・バイクは暑いんです・・・休憩させてもらったお家の方に親切にしていただき、そこから毎年交流するようになったり、とある高原では4輪バギーに乗ってきていた方に「ぜひ乗ってみて!」と言われて、運転させていただいたり。

自家用車に乗っていて、こんなに声をかけてもらうことってなかったです。

バイクに乗っている、というだけで何ゆえこんなに親切にしてもらえたのか、不思議なくらいに得がたい出会い、体験をさせてもらえました。

バイクってすごい力を持ってるんだなぁと思いました。



実際、バイクに乗ってみると、あこがれていたように「かっこいい」ものではありませんでした。

夏は暑いし冬は寒い。ヘルメットをかぶるから髪の毛はぐちゃぐちゃになるしメイクもとれます。

夏の日暮れなど、ヘルメットにカマキリやでっかいガのような虫がバチバチ当たってきますし。

でも、きっと、”楽しい”という思いが全身から溢れ出ていたんだろうなとは思います。

想像していたこととは違っていたことがたくさんあります。

でも、それは思い切ってやってみたからわかったこと。

やってみるにはいろいろとハードルがあります。

でも、やらない理由を探すよりも、まず、とにかくやってみる。

すると、思っていたこととは違う結果になることは多いと思います。



実は何か始めたいなと思っていること、ありませんか?


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