ギフティッド~子どものポテンシャルを引き出す環境

小学生の子どもがお友達と会話をしている様子を見ていると、どうもかみ合っていない気がする・・・とか、場の空気が読めなくてなんとなく浮いている気がする・・・とか、授業中の態度にどうも問題がある・・・といった場合に発達障害が疑われて検査をしてみる、といったケースは多いです。

こうした場合、確かにある能力が年齢に不相応に「できていない」という結果が出ることもあるのですが、逆に年齢に不相応なくらいに「できる」という結果が出るケースもあります。

「できる」子どもの場合、同年齢の友達との会話がかみ合わない理由が、同年齢の子どもにはついていけないくらいの理解力や語彙力があるためにかみ合わない、であったり、授業の内容があっという間に理解できてしまって授業時間に「退屈」な時間が多くあるため、遊んでしまったりやる気が無いように見えてしまう、ということがあるのです。

happy black boy reaching out to decorative star from chair


こういう子どもたちは「ギフティッド」と呼ばれます。
ギフティッド・・・なぜ、そのような才能があるか、それにどのような意図があるのかはわからない、天から授かった能力。
ある点で抜きん出た才能や能力を持っている人・・・特に子どもに対して使われています。

すべての子どもも授かりもの・・・どの子もすばらしいギフティッドなのです!が、それは言葉の問題。ちょっと横へ置いておきますね。

日本では、ギフティッドの定義はまだ「これ」と決まっているわけではないようですし、発達検査を受けていない子どもたちの中にもこういった能力を持っている人はいます。また、発達障害と言われる部分を持っていてなおかつ、ある能力についてはギフティッドとみなされる高い能力がある、という人もいます。

日本では飛び級があたりまえではありませんし、目立つことはあまり良しとはされませんから、こういった高い能力を持った子どもたちは、周囲との違和感を感じながら辛い思いを抱えていることも少なくありません。

ギフティッドは、すべてにおいて秀でた能力を持っている人のことだけを指しているわけでもなく、またその能力によって成功している人あるいは成功が約束されている人だけを指しているわけでもないとのこと。

では何だ?

「ギフティッドと言われる人(子ども)は、ポテンシャルが高いということ」なのですね。

child holding clear glass jar with yellow light


ある子どもに特筆すべき能力があったとしても、その持っている能力を上手に伸ばす環境がなければその能力は花開かない、つまりポテンシャルは引き出せないわけです。

その子の能力を開花させるにはやはり環境が大切なのですね。
ギフティッドと言われる子どもだけでなく、誰にでもあてはまることだと思います。

環境というのは物や施設といったものだけでなく人も含まれます。
子どもに近しい人といえば真っ先に「親」と言えるでしょう。

では「親」は、子どものポテンシャルを十分に引き出すにはどのように子どもに接すればよいのでしょうか。

親にとって我が子は改めて自覚する必要がないほど身近であり、大切に守りたい存在です。
子どもの日々の成長をずっと見守っている親は、我が子があたかも自分の分身であるかのように、まるで同じ性格や能力を持っていると思いがちです。
その思いがすべて間違っているというわけではないのですが、過保護になってしまったり依存してしまったりして子どもの可能性の芽をつぶしてしまうことが無いよう、いつも心のどこかに、我が子は自分とはまったく異なる性格・性質・感受性を持っている、別人格であるということを忘れずにいるということが大切だと思います。

person jumping photo


特にギフティッドと言われる子どもは、親にとって非常に理解し難く、扱いにくいと感じられる場面も少なくないでしょう。
子どもの言動が理解し難いからわかりやすいように、扱いにくいから扱いやすいように、このまま育つと将来社会でうまく生きぬくことができなさそうだからと、親の尺度に子どもを沿わせようとすることが、ギフティッドの自己肯定感を低くしその才能の芽をつんでしまう・・・

こういうことは少なくないようです。

日本の社会では、まだまだ出る杭は打たれることが多いですから、親が先回りしてわが子が「出る杭」になり打たれることがないように心配するのは仕方がないかもしれません。
しかし、少なくとも親が「出る杭を打つ」存在にならないようにしたいものですね。

子どもが独り立ちするまでは親として責任をもって子どもにかかわるけれども、大人になったときには育てた子どもの人生を本人に返してあげる・・・大人になるまでは大切に預かり育てあげ、子どもが大人になったときに、出来る限りベストの状態でその人生を引き継がせてあげる・・・と考えるとどうでしょうか。

子どもは文字通り”ギフティッド”なのです。

・・・これを読んでくださっている方の中に、もし子ども時代に生きづらさや周囲との違和感を感じていた方がいらっしゃるかもしれませんね。
実は子ども時代、ギフティッドと言われるような能力を持っていたかもしれません・・・


参考
「わが子がギフティッドかもしれないと思ったら」~問題解決と飛躍のための実践的ガイド~
James T.Webb/Janet L.Gore/Edward R.Amend Arlence R.DeVries 著 角谷詩織 訳













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