語彙を増やし自分の世界を深く広くする「絵本の読み聞かせ」の効果。「まくらのせんにん そこのあなたの巻」をご存知ですか?

子育てをしていると、親としてこれでいいのか、子どもはしっかり成長しているのか、悩む場面は少なくありません。

「親」になるタイミングというのは、我が子が生まれてから・・・我が子が家にやってきたときからという場合もあります・・・親としての歴史がスタートするわけで、もともと十分親として成長しているところからスタートするのではありません。

「うまくやれる親」がある日突然出来上がるのではありませんから、始めから思い通りに子育てができなくて当然です。

一歩一歩育つ子どもの一番近くで一緒に歩み、一歩一歩親になっていけばいいのです。

さて、子育てをする上で、絵本の読み聞かせは非常に良い!とよく言われます。

woman reading book to toddler


我が子への期待は親の数だけあるに違いありませんが、その中に物事の判断を自分でできるようになり、自分の選んだ道を納得して歩んでほしい・・・という思いは共通なのではないでしょうか。

自分で判断できる、という力のもとになるものは「言葉」です。

語彙が豊富であれば自分自身の世界をより深く、また広げることができます。

その第一歩が「絵本の読み聞かせ」。

言葉というのは不思議なもので、子どもたちはいつの間にか難しい言葉も理解できていたりして驚かされます。



お母さんのお腹にいるときから、赤ちゃんはお母さんの身体を伝わって響く音が聞こえているらしいのですが、聞こえてくる「会話」「文章」がどのようなリズム・・・音節・・・で聞こえてくるか、ということが、母語を形作る際に影響する、という調査結果を読んだことがあります。

たとえば生まれる前から「日本語」で会話する環境の中にいた場合は、日本語のリズムに順応しやすくなり、「英語」で会話する環境の中にいた場合には、英語のリズムに順応しやすくなるようなのです。

close up of hands holding baby feet

また、読み聞かせの場合、読み手が意味を理解しながら読む場合と、ほとんど意味を理解せず「音」として発音しながら読む場合は、赤ちゃんの反応が違ってくる、ということもあるようです。

ロボットが読み聞かせを行う音声と、その言語を理解しながら人間が文章なり物語なりを読む音声とでは受け取り方が違う、ということです。

これはなんとなく実感できる気がします。
たとえば会議などで、資料を棒読みされても頭に入ってきませんが、難しい内容でも、話している人が伝えたい内容を理解していれば説得力のある言葉として耳に入ってきますよね。

子どもが幼いほど家で子どもと二人きり・・・「今日も大人と話をしなかった・・・」という日は続きます。

コロナ禍でなくても子育て中には家の中で閉塞感を感じることは多いのに、コロナ禍であればなおさら外出が難しくなり、気持ちが不安定になってくることも多いと思います。

また、出産後などは特にお母さんもホルモンバランスが元通りになっていないですからなおのこと。

子どもと家にいるとどうしても話題が限られ、使う語彙が限られてきますしちょっとしんどいですよね。

そんなときこそ絵本の登場です。

colorful carousel against cathedral on red square at new year night

思いがけないシチュエーションがカラフルな絵とともに展開され、日常ではあまり使わない言葉が登場して子どもの脳を刺激します。

読み聞かせは、どんな本でも子どもたちは夢中になるものですが、読み手側にとってもせっかく読むのですから面白い内容のほうが楽しいですよね。

今、いろんなステキな絵本がたくさんありますし、海外の作品も多く翻訳されていて日本ではあまり想像できない結末になっている興味深いものもあり選ぶのが大変です♪

そのなかで、

「まくらのせんにん そこのあなたの巻」かがくい ひろし 作

という絵本。ご存知ですか?

close up photo of tied blue box


読み聞かせにはお勧めです。

出版されてもう10年以上経つのですが、知らない方はまったく知らないはず。

ストーリーも面白いですし、絵も楽しい。

それよりなによりこの絵本の特徴は、絵本から聞いている子どもたちへ「呼びかける」シーンがあることです。

呼びかけるくらいなら、ほかの絵本にもあるでしょうが、この本は呼びかけた上で子どもたちに絵本に対して働きかけるように誘うのです。

お話を聞くということはある意味受動的。何もしなくても絵と話は進んでいきます。

それが聞いている側にとって心地よいのですが、この本は違います。

「そこのあなた」と呼ばれていることに、まさか自分自身のことと気がつかず、何度か呼びかけられて、「あなた」が「自分のこと!?」と気がついた子どもたちの、驚いたような、半信半疑のような表情の面白さ!

そして、誘われて半信半疑のまま絵本に近寄ってくる様子!


一粒で二度ならぬ三度くらい美味しい絵本です。


もし、子育て中の誰かにプレゼントを考えておられるなら、候補のひとつとしてお勧めですよ♪



カウンセリング予約はこちら

Follow me!