雲の上の図書館へ行ってきました
写真で見ると、木がたくさん使われていて、あの建築家 隈研吾氏が設計された建物です。
高知県へ行く機会があり、せっかく近くまで行くのだからぜひ立ち寄ってみたいと思っていたら叶いました。
想像していたよりも、とても奥深い場所で、思っていたよりも普通の景色の中にその建物はありました。
場所は高知県高岡郡梼原町。
道路を辿ると道案内に「梼原」という表示がでてきましたが、「梼」という漢字を恥ずかしながらいままで見たことがなく、読めませんでした。
「梼原」
ゆすはら
と読むのですね。
「梼」木へんに寿。
木へんに春 に似ています。椿だと「つばき」。
だとすると、梼・・・そんな植物があるのかなぁ?
「寿」だけに、めでたい感じがしますなぁと思って調べましたらなんとっ!
「梼」の意味は、「きりかぶ、木を切ったあとに残る部分。おろか。おろかなさま。無知であるさま。」
なんだか予想外な意味でした。
「ゆすはら」という音は柔らかく、白く美しく霧がかかったようなイメージを想像していたのです。

この建物は緑の深い山の中の集落の中に突如現れる、というわけでもなく、かといって溶け込みすぎている、というわけでもなく、普通にそこに存在していました。
それはたぶん、日ごろから町の方々が日常生活の一部として利用されているからでしょう。
中に入ると・・・靴を脱いで上がるのですが・・・これまた想像以上にリラックスできる空間でした。
この図書館に通うためだけに、次回はこの町に数日滞在させていただいて、思う存分本を読むことができたら幸せだろうな・・・。
図書館ってこんな感じなのでしたっけ?
こんなに高確率で読みたくなる本が目に飛び込んでくるものなのでしょうか?
書店は好きで気軽に行くのですが、読みたい本を自分から探さなければなかなか見つからないというイメージがありますが、この図書館は違いました。
1つの部屋では静かにBGMが流れていましたが、他の部屋ではBGMはなく、静か。
図書館はたいてい静かなのですが、木がふんだんに使われているこの空間なら、きっとよい響きがするのだろうなーピアノを弾いたなら・・・と思って見回すとグランドピアノが1台、やっぱり置いてありました。
とても音を出してどんな響きをするか聴いてみたかったのですが、街角ピアノならぬ図書館ピアノ、という風には運用されていないようでしたので涙をのみました。
音って本当に難しいですものね。
見たくないものは目を瞑ればその情報を拒絶することはできますが、音は自主的に耳をふさぐことができません。。。
いろいろな建物がありワクワクするような美しいものもたくさん建てられていますが、この図書館はよそよそしさがなく、かといって迫ってくるような身近さではなく程よい距離感でつつみこんでくれるような居心地のよい空間を体験できました。