SST(ソーシャルスキルトレーニング)で自信をつける
私が担当している小学生の発達障害のクラスでは、SSTを希望される保護者の方が多くおられます。
SSTはいろいろな考え方や指導方法がありますが、とにかく目の前の子どもが同年齢の子どもたちの中で孤立せず、仲間の一員として認められてそこにいることができる、ということを想定して授業をしています。
確かに、彼らは小学校のクラスの中にいると自分の気持ちを的確に言葉にすることが難しい場合が多く、仲間の輪の中に入れないことも少なくないと思います。
そして、心ある担任の先生は「気にしてあげたいけれども、他の子どもの指導もしなくてはならないのでこの子だけのために時間と心を費やすわけにはいかない」と思われていることも想像できます。
そんな中で、彼らは小学校で、休み時間も含めると長い時を過ごします。
できる力や能力があるにも関わらず、
・何を求められているのか意図がわかりにくい
・答えがわかっていながら複雑に答えようとして答えを出すまでに時間がかかる
・過去に出来なかった経験からチャレンジしたくないと思っているだけなのに「やる気がない」と思われる
・・・そんなことが多く起こりすぎて、次第に自信をなくしていってしまいます。
こういう子どもたちには、どのようにすればいいか、ということだけでなく「自信をつける」つまり「できる」という実感を持ってもらうことも非常に大切なのだと思います。
小さな子どもであっても、「少々のことでへこんでいては大人になってから苦労する」とがんばらせることは大切な指導のひとつだと思います。ただしそれは「できる」「できた!」と自信を持てる子どもが進むことができる次のステップなのです。
ところで自信のない子どもに自信を持たせるというのは非常に難しいですね。
「褒めて育てましょう」とはよく言われますが、何でもとにかく褒めればいいのか、というとそうではありませんよね。
それは子どもも大人も同じです。
大人にとっては些細なことであっても、子ども自身がちょっと難しいなと思ったこと、がんばったことを、ちゃんと褒めてあげられるといいですね。
そのためにも、療育のクラスに継続して通うことは子どもたちにとって意味があることなのだと思います。