NHK連続テレビ小説「カムカム エブリバディ」から 寄り添うというのは、寄り添っている側の人が、自分のしたいことをするということではない という話
NHK 連続テレビ小説をこのごろ毎日見ています。
本当は毎日見たいのですが、時間に余裕がないと見なかったりもするのですが。
今「カムカム エブリバディ」を放送中で、なんと深津絵里さんがヒロイン。
ヒロインが深津絵里さんとあらば、何はなくとも見ぬわけにはまいりません!?
どれくらい深津絵里さんのことが好きかというと・・・その昔、メガネを買い替えるべく近所のメガネ屋さんに行きまして、どのフレームにしようかなぁとあれこれ探したのですが、店員さんの「これ、深津絵里さんがCMでかけてたモデルなんですよ」の一声で即決しました・・・♪
さてこのドラマ、先週あたりからハラハラドキドキしっぱなしでした。
本当によくできたセリフとそれを本当に上手に演じられる役者さんたち。
思わず泣いてしまった日もございました・・・
みなさん、本当に、お芝居が上手!
どのセリフもどんな表情も素晴らしいのですが、中でもしみじみ「いいわぁ!」と思ったセリフはこれ。58話です。
「言いとうなかったらえぇ。せやけど心配なんや。おっちゃんも おばちゃんも。」
主人公のるいちゃんが何かに悩んでいるということを感づいた、濱田マリさん演じる ”るいちゃんを本当の娘のように可愛がっているクリーニング屋のお母さん” が心配のあまり声をかける、というシーンでのセリフです。
関西弁、というのが関西人にとってはなおさらぐっとくるポイントかもしれません・・・
さてこのシーンでは、泣くこともできないほど、るいちゃんは悲しい気持ちだったのです。
悲しい思いを口にすることで自分が壊れてしまうかもしれない、どうかしてしまうかもしれない・・・と感じると、誰にも言わず、というか言えずに黙っているということ、ありますよね。
こういう悲しい想いを抱えている人が近くにいたら、どうしたらいいでしょう?
その人が特に大切に思っている身近な人であればなおさら、なんとかしてあげたい、力になりたい、と思うものです。
そして心配すればするほど、「どうしたん?なにがあったん?」とつい根ほり葉ほり聞いてしまいたくなります。
どうしようもない思いを抱えているとき、そうやって質問してくれる人がいるとうれしい場合もあります。
でも、そうじゃないときもありますよね。
そんなときは、そっとそばにいる、という存在がとても大切です。
ただ、そばにいるだけでいいんです。
が、時に、そばにいるだけ、という想いを言葉にして伝えたいときもあります。
そばにいるよ、という想いを言葉で伝えるとしたら・・・。
そこで先ほどのセリフです。
「話しをしたくなかったらそれはそれでいいんだよ。でもね、私はあなたを心配しながらここにいるからね。」
話をしたくないなら聞き出したりしないからね。もし話をしたくなったら聞かせてね。いつでも心配しながらそばにいるから、ほうっておいているわけじゃなからね・・・
寄り添うというのは、寄り添っている側の人が、自分のしたいことをするということではないのです。
悲しんでいる人が話ができるようになるまで黙って待つ。
しかしこれはなかなか実際には難しく、黙って待つことができない人は意外に多いもの。
だって、家族や大切な人が目の前で傷ついて苦しんでいるというのに、ただ黙って待つ、というのはそばにいる側にとって本当につらいことだからです。
そこを、あえて、待つ。
待つ、ということは、実は信じる、ということなのです。
今は苦しんでいるかもしれない目の前の人はきっと回復できる力を持っている、回復する、と信じるということです。
ただし、期待せずに。
思い通りになる、と考えることは無言の圧力になります。
つまり、待つ側に、相手への信じるという強い気持ち、強さが必要なのですね。
強さ、にはいろいろありますが、頑丈!というよりも、この場合はしなやかな折れない強さでしょう。
弱っている人の横で、寄りかかってきてもしなやかに受け止め、いっしょに立て直してあげられる強さ、というイメージです。
そうして信じてもらった分、弱った心は、近くで見守ってくれる強い心によって回復に向かっていくのです。
「カムカム エブリバディ」の中でもうひとつ「いいわぁ!」と思ったセリフがあります。59話です。
つづく♪