NHK連続テレビ小説「カムカム エブリバディ」から 名前以上に愛ある言葉はなかった という話


前回に引き続き、NHK連続テレビ小説「カムカム エブリバディ」から、「いいわぁ!」と思ったセリフのご紹介、第2弾!です。

なんと今回もクリーニング屋の濱田マリさん演じるお母さんのセリフなのです。

後ろ姿のまま、深津絵里さんが演じる るいちゃん が語る、印象的なシーンです。

woman standing with bouquet of peonies on shoulder in room


結婚の約束をしていたジョーから、もう一緒になれないという想いをぶつけられたるいちゃん。

「そんなことないよ!わたしは一緒にいたいよ!」と思いつつ、自分を納得させるように、傍らに座るクリーニング屋のお母さんにこう言うのです。

「どっか ほっとしてます。

ほんまのこと言うたら ちょっと怖かったんです。家庭を持つ、いうことが。

・・・(略)・・・そんな私が家族を作ることなんてほんまにできるんやろかって。

ずっと不安やったんです。そやから・・・これでよかったんです。」


家族を知らない私が家族を作ることができるか不安だった・・・自信がなかった・・・

だから彼とうまくいかなくなり家族を作ることができなくなったけど・・・

これでよかったんです・・だって私には家族なんて作れないから・・・という想い。

るいちゃんは、ジョーとの破局を受け止めたいわけではないのですが、自分の中に、破局に対して少しほっとする部分があることに気がついたのです。

実はジョーにも同じような想いがあったのかもしれません。

このまま行けば着実に幸せになれる、というとき、素直に幸せをつかみに行くことをなぜか拒否してしまうように心が動くこともあるのです。

adult background ball shaped blur



さて。

るいちゃんのこの独白を黙って寄り添って聞いているのはクリーニング屋さんのお母さんです。

お母さんは・・・クリーニング屋のお母さんはるいちゃんの本当のお母さんではないのですが・・・るいちゃんの言葉に、るいちゃんが抱えている過去、そしてそれをるいちゃんが自らの運命とでもいうように割り切って納得してしまっていることを知ります。

るいちゃんが自分に罰を与えるかのように納得し、そしてその想いを言葉にして淡々と言えてしまえるほどに、彼女が抱えてきた重さが想像以上のものだということに、傍らで聞いていて感じるわけです。

本当の娘のように大切に思い、幸せになってほしいと願う若い人が、実はそんな思いをかかえて生きてきたのね、という衝撃もあるでしょう。

こんな話を聞いてしまい、こんな想いに気づいてしまったら

「そこまで思いつめなくても何か方法はあるでしょうに!幸せを遠ざけなくてもいいのに!助けてあげたい!」

と思いますよね。

ここでお母さんは何というのでしょうか?

万感の想いを込めたそのセリフとは!



「・・・るいちゃん・・・!」


セリフというより絶句です。

その人と同じく大切なもの。

名前。

これ以上の相手を思いやる愛ある言葉は無いかもしれませんね。

shallow focus photo of pink and brown jellyfish



ドラマは続いていきます。

実はるいちゃんは、もともと強い人だったようですね。

自分の過去をたちきるように、岡山から大阪に出てきたこともそうです。

今回のジョーとの一件で逆に自分の強さをはっきり自覚したのかもしれません。

幸せになることを受け入れ、幸せになるという覚悟を決めて、ジョーと一緒に「ひなたの道」へ向かっていくのです。



まだしばらく、るいちゃんをヒロインとしたドラマは続きますので、楽しみに見ていきたいと思います♪

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