回復する力を信じる気持ちが力を与える
身近な誰かが心を痛めているとき。
元通りになりたいともがいているとき。
そばにいて何か助けになりたいと思いつつ、何をすればいいのか、どんな声をかけてあげればいいのかわからなくなるときってありませんか?
誰かの心に寄り添いたい・・・と思うとき、きっとあなたは心を痛めた相手から何かしら「助けて」というサインを受けているのですね。
はっきりと「助けて」という言葉を聞かなくても、何とかしてあげたいと思ってしまいます。
とはいうものの、アドバイスをしたところでそれが本当に相手の心に寄り添ったものであるのか、話をしていると不安になることもあるでしょう。
こちらが何か言ってしまったことで相手がより傷ついてしまったり、より落ち込んでしまうことになったらどうしよう・・・などと、相手を大切に思えば思うほど心配になるものです。
相手のことを思うあまりに何も言えなくなり、言えない自分に無力感を感じ、支える側が逆に落ち込んでしまう・・・ということはよくあることです。
心を痛めて苦しんでいる人を、支えている人が「つらい」と思ったときは、ぜひ心理師によるカウンセリングを利用してみてくださいね。
支えている人がカウンセリング受けることで、苦しんでいる人を間接的にサポートすることができます。
さて、心を痛めて苦しんでいる人は、時間の経過の中で考え方や気持ちに変化が起こってきます。
本人も自身のその変化を感じ、その変化に対して新たに不安を感じることもあります。
支える側はその変化を感じることが大切なのですが、ずっと近くにいるとなかなか変化を感じることができません。
たとえば子どもの背が伸びるのを毎日見ていても気づきませんが久しぶりに会った人からは気づかれやすい、ということと似ています。
1ヶ月に1回のカウンセリングなどではカウンセラーには変化がわかりやすいものですから、そういう意味でもカウンセリングを定期的に受けるということは回復のために大切なことだと思います。
変化のとき、本人が何を不安に思っているのかを紐解きながら回復に向かって進んでいきますが、そばにいる人や支える人が一番持っていてほしいことがあります。
それは相手が回復する力を持っていることを信じる気持ちを持ち続けることです。
変化に左右されることなく、相手は回復に向かって進んでいることを心の底から信じること。
支える側が揺らがないことで、変化に不安を感じる人にとって確かに心の支えになりうるのですね。
信じることはどういうことを言うのでしょう。
太古の昔から「祈る」ということを人はしてきたようですが、信じることは祈りと通じるものがあると思う今日この頃です。
相手が回復する力を持っていることを信じること。
すごく単純で基本的なことなのですが、あらためて心の中でもう一度信じる気持ちを確かめてみてくださいね。