馬と触れ合う・・・ホースセラピー

休みを利用して乗馬体験に行ってまいりました。
乗馬体験ではあるのですが、その牧場は馬に乗るというだけでなく「馬と仲良くなる」体験をさせてくれるというのです。

馬というと「馬耳東風」や「馬の耳に念仏」など生活に近しい言葉の中に使われますし、時代劇などでもよく登場します。
少し前の私たちの祖先は日常生活の中で馬をよく見ていたのに違いありません。
ドラマなどで美しい馬がパカラッパカラッっと武者を乗せて疾走するシーンを見ると、本当にかっこいい!と感動してしまいます。

しかし今の暮らしでは、馬に実際に触れる機会はめったになく、馬と仲良くなるなんてなかなか難しいですよね。

さて私はいままでちゃんとした乗馬の経験がなく、いわゆる牧場や遊園地のような場所で決められたコースをゆらゆらと揺られて終わり、というような形でしか馬とかかわったことはありません。
定期的に乗馬クラブへ行くとか、馬術部の部員だったとかいうことも残念ながらありません。

というわけで、「馬と仲良くなれる乗馬」。
いったいどんな体験ができるのか、楽しみに行ってみました。

brown horse

馬と共に暮らすことを実現させるべく淡路島に移住したというその牧場主は、まず、ご自分が大切にされていて今から乗せてくれるという馬のことを丁寧に紹介してくださいました。

その馬はその昔、殺処分されそうになったとき、とある高校にもらわれて高校生たちに大切に飼われ、「ホースセラピー」の馬としても活躍したそうですが、またまた事情があって高校でリストラ(!)にあい、今の牧場主がひきとったそうです。

目の前の大きな馬のそういった生い立ちを、本人(本馬?)がいる場所で聞くことで、何か少し知り合いになれたような気持ちになります。
馬は知らん顔をしていましたが、きっと自分のことを言われていることは察しているような様子でしたよ。

ところで紹介の中に「ホースセラピー」という言葉がありました。
「アニマルセラピー」という言葉は耳にしたことがあり、犬や猫、またイルカなどがその役割を果たすために活躍することは知っていましたが「ホースセラピー」というのもあるのですね。

調べてみると日本ではあまりまだ体系化された「ホースセラピー」というものは確立されていないようで、牧場などで馬の飼い主が独自の方法で実施されている場合が多いようです。
一方海外ではたとえば発達障害や自閉症などの方に対して、馬と触れ合うときには馬のトレーナーだけでなく心理師が一緒にセラピーを行うようなケースもあるようです。

人間の体温よりも少し高い温かい大きな馬が、大人しく触らせてくれるというだけで何かとてもうれしい気持ちになるのは不思議です。
今回出会えた馬は、きっといままでの生きてきた中で人間に優しく接してもらってきたのでしょう、見ず知らずの人間であるにもかかわらず、とても大人しく触られながら優しい穏やかな目をしていました。
セラピーホースとして活躍していたという言葉にも納得です。

unrecognizable people riding horses on beach


馬の紹介のあとはいよいよ乗馬です。
馬と接するにあたっていくつかアドバイスをいただきましたが、印象に残ったのは最後に言われた「この馬を信頼してくださいね」という言葉でした。

初めての馬。牧場主とも初めて会ったばかり。
きっと馬上からの視線は高く、「怖い」と思う気持ちが生まれるのは誰にとってもおそらく自然なことでしょう。
優しい馬であることは感じていたはずだけれども、「馬を信頼してください」とあらためて言われたとき、私の中に「馬を信頼する」という気持ちがさほど前向きでなかったことに気がつきました。
信頼しなければ!
というのは何かちょっと変ですが、こちらが信頼する気持ちをお腹の中から思わなければきっと馬も信頼してくれないのでしょう、積極的に「信頼しよう!」と心に決めました。

今回の馬との触れ合いは飼い主さんのお話も含めてとても楽しい経験になりました。
馬がとても繊細であること、目の表情が豊かなこと・・・まさに「思ってたんと違う!」
予想以上にいろいろなことを知ることができた時間でした。
きっとどんな馬からでも同じことを知ることができたわけではなかったでしょう。
今回の馬がとても穏やかで我慢強く落ち着いた性格だったからだと思います。

馬が私のことを信頼してくれていたのかどうかはわかりません。
でも、馬が飼い主さんのことをとても信頼していたことは間違いなく、飼い主さんへの信頼を通じて、私のことも信頼し背中に乗せてくれていたような気がしました。

「信頼する」ということは、案外難しいものですね。
裏切られたり、悲しい気持ちにさせられると、信頼するという気持ちに強くブレーキがかかってしまいます。
「信頼する」ためには心が強いほうがいいでしょうし、「鈍感」が必要になることもあるでしょう。
どこまでもとことん信頼していい場合もありますし、一部分だけを信頼するほうが安全な場合もあります。

信頼できる=良いこと とは限らないのですが、信頼できる力があるほうが、人生が広がりそうです。

・・・体験しているときには夢中であっという間に過ぎた時間でしたが、思い出して振り返ってみるといろいろと考える・・これぞホースセラピー!?・・・ことができました。


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