カウンセリングを受けるときに気をつけたいこと
言わずもがな、なことなのですがカウンセラーも人の子です。
いろんなタイプの方がいらっしゃいます。
そして実はカウンセラーになりたい、カウンセラーをしたい、カウンセラーをしている、という方は、おおよそ、100%とは言えないでしょうが(100%と思っている!)、その人自身が過去に何らかの心の傷を負っている・・・ことが多いです。
だからこそ見えない心の傷を負っている方のカウンセリングができるのだ、とも言えるかもしれないのですが、では心に傷を負っているような人はみなカウンセリングができるのか、心理師になれるのか、というとそうではないと思います。
最近、ある相談者(仮にAさんとします)から、カウンセラー、カウンセリングの問題に気づかされたことがありました。
初めてAさんにお会いしたとき、Aさんは心理的に非常に苦しんでおられてそれが身体の健康にも現れていました。
たいへん長い年月、ご自身で努力をされた末、今から3ヶ月ほど前に私と出会う機会があり、それ以降面談を繰り返しながら少しずつしかし劇的に回復への兆しが見え始め、最近では毎日電車に乗って長距離の外出ができるようにまでなりました。
外出することが難しかった長い時間の中で、複数の医師やカウンセラーに出会ってきたそうです。
とても素直で真面目で、一生懸命回復したい、今の状態からなんとか普通の状態に戻りたいと心から願っているAさんは、どの医師、どのカウンセラーにもそれぞれ世話になって有難かったといいます。
その中で1人だけ、Aさんに大きな影響を与え、離れた今も影響を与え続けているカウンセラーがいたようです。
おそらく、そのカウンセラーはAさんに対して、Aさんが持っている悩みの本質に初めて迫ったのだろうとおもいます。
それはAさんにとって良いことだったに違いなく、だからこそAさんは当時、そのカウンセラーの話に納得したのでしょう。
そこまでは良かったのです。
そのカウンセラーはなぜか、Aさんの大切にしている部分を一方的に責める方向でカウンセリングを進めてしまいました。
素直で真面目なAさんは、そのカウンセラーから言われた言葉や「こうしたほうがいい」「こうしなければならない」という、Aさんにとってはたいへん厳しい辛いアドバイスを今も心に抱えてしまっており、ずっと苦しみ悩んでいます。
Aさんにとってそのアドバイスは身を引き裂かれる思いをするほど辛いものであるため、そのカウンセリング以降、また下手をするとAさんにとっては一生抱えなければならない大きな宿題になってしまったのです。
Aさんが自発的に語ってくださったそのカウンセリングの内容は、そのカウンセラーがAさんの状況にカウンセラー自身のプライベートな何かを重ねて見てしまったのだろうと思わざるを得ないものでした。
たとえAさんが抱える問題の本質を見抜けたとしても、それをどのようにAさんと一緒にAさんに寄り添って解決していくか・・・
ここの部分も大変重要でカウンセラーの腕の見せ所?になるのですが、残念ながら過去のカウンセラーはそこは失敗したのではないかなと思います。
Aさんはカウンセリング後により一層苦しみ続けることになったわけですから。
ただ。
そのカウンセラーと出会わなければ、Aさんはご自身の持つ本質的な部分に気がつかなかったわけです。
ですから、Aさんはそのカウンセラーと出会わなかったほうがよかった、ということではないと思っています。
すべてのことには意味があり、すべてのことはつながっており、きっといつかつじつまが合うように物事は動きます。
Aさんもどういう運命か私と出会い、これからはきっと、そのカウンセラーからの心理的な呪縛からもAさんは解き放たれて幸せになっていく・・・ように私はカウンセリングしていきますから・・・でしょう。
カウンセリングを受けたとき、あまりにもカウンセラーにひどいことを言われたなぁと感じたときは、カウンセリングを中止し別のカウンセラーに頼ることも考えてみてください。
そのときはぜひ、心理職のなかで唯一の国家資格である公認心理師をご利用ください。