発達障害とワーキングメモリ

こんにちは!
大変久しぶりの更新になりました。
少し余裕がなくてまだきちんとカウンセリング内容の改定ができていません。
もう少しお時間を頂戴したいと思います。

さて。

ワーキングメモリという言葉をお聞きになったことはありますか?
発達障害の検査をすると、ワーキングメモリという言葉が出てくることがあります。

発達障害の話をする上で、短期記憶と言われることもあるワーキングメモリ。
メモリというと私はパソコンを連想し、今のパソコンは人間のことをよく考えて作られているなぁと感心します・・・。

charts on black wooden table


パソコンも動作する際には、小さいけれども高速に動く「メモリ」と呼ばれる場所を使います。
いったんメモリで作業をしてそこから簡単には消えない場所へ保存する、という作業が行われているのです。
メモリは例えば台所にある”まないた”のようなもの。
ずっと食材が乗っていると次の料理ができないため、ある程度作業が終わると”まないた”から下ろされますよね。
そしてきれいになった”まないた”にはまた新たな食材が乗って、新たな料理が始まる。
つまり”まないた”の上のものが消えてしまうことがいいところなのです。

さて、ワーキングメモリに戻りますが、パソコンのメモリとはもちろん異なるのですが、人間も同じように短い時間記憶を保持できる部分と、長い期間記憶を保持できる部分があるようです。
1年前の旅行のことは思い出せるけれど、昨日の夕食やランチに何を食べたか、すぐに思い出せないことってありませんか?
短期記憶(ワーキングメモリ)はつまり、あまり自分にとって重要ではないことは忘れてしまうことができる力が人にはあるのです。
(もちろん、昨日の夕食がとても特別なお祝いの席だったりすると、もちろんすぐに思い出せると思います。)

person in white shirt with brown wooden frame


ある子どもの話になりますが、忘れ物が多かったり、宿題や後片付け、食事中などボーっと他のことを考えてしまいいつまでも終わらず、何度も同じことを繰り返し注意されてしまっています。
親として、記憶力や集中力に何か問題が?と気になるものの、ちょっとした話はよく覚えていたり、授業中の話もよく覚えていたり、好きな絵を描いているときは夢中になる・・・としたら、何がどうなっているのかしら?混乱しますよね。

心配になる親心は当然ですが、ひとまず「この子には忘れてしまうことができる力がある!」と喜ばしく認めてあげましょう。
そして心に余裕を持って、よく手が止まってしまうような・・・例えば「後片付け」などの様子を不審に思われないくらいの近さで観察してみましょう。
機嫌よく「後片付け」をしているとき、どれくらいで気が逸れるでしょうか?心の中で数えてみましょう。

10秒?

20秒?

意外に短いかもしれませんよ。

気が逸れたな!と見てとれたその瞬間に、叱るのではなくあくまでも普通に「後片付けしよっか」と声をかけてみましょう。
子どもは「はっ」と少し我に返って作業に戻るでしょう。
そしてまた観察です。

10秒?

20秒?

さきほどと同じくらいの時間で気持ちが逸れませんか?

「後片付けしよう」という気持ちは最初はしっかりあるのですが、ふっとその気持ちが消えてしまうのですね。
忘れようと思っているわけではないのです。

ということは、最初の「後片付けしよう」という言葉をもうすこし別の言葉にしてあげるといいかもしれません。
さて、何と言ってあげましょうか?
ヒントは、短期記憶です。
短い記憶に、長く残るような言葉かけをしてあげるのです。


わざと後片付けをサボろうと思っているわけではないのに、なぜか目の前のことを続けられず、なぜかいつも叱られているという状態が続いており、自信をなくしてしまいがちな子ども。

こちらの関わりかたや、言葉のかけかたを工夫することで、こちらも人として成長できる気がします。










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