言葉と心理カウンセリング

子どものころ、大人から「本を読みなさい」とよく言われませんでしたか?

本にはいろんな作者のいろんな想いが込められていて、知らないうちに会ったことのないはずの作者と会話をしたような経験ができますね。

普通に・・・普通という言葉の定義は難しいですけれども・・・生活している中で出逢える人の数は意外に多くはありません。

しかし、本を読むということは、出逢いを増やすことと同じと言えると思います。

実際には直接会えない人からでも、直接その言葉を聞く(読む)ことができるのですから。

どきどきわくわくしながらページを読み進むスリルや感動を子どもの頃に味わうことは非常に大切な経験になるはずで、そういったワクワクを与えてくれた「本」の存在は、将来、大人になったとき、誰も身近に助けを求められないと思ったときでも「本」の中に助けを見出すことにつながるはずです。

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小さいころに本を読むことがいい理由にはこのほかにも、日常では使わない「言葉」や「単語」を知ることができるということも挙げられます。

使える「語彙」が増えるということは非常に大切なことだと思います。

それは特に10代後半から20代前半の方のカウンセリングをしていて感じます。

言葉を知っていれば、もっと早く楽になれるんじゃないかなと思う場面が少なくないからです。


心理カウンセリングを受けたい、とか、誰かに勧められて心理カウンセリングを受けるという人は、何かしら困ったことに陥っています。
そして、そこからなんとかして抜け出したいと思っています。

心理カウンセリングでまずとりかかるのは、困ったことを紐解いていくための第一歩として、自分の今の状況を言葉にすること。
そして解決の糸口を開くのは、自分の気持ち、感情、思いを言葉にすることなのだと思います。

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今の状況を伝えることや、自分の気持ち、いま自分が感じているそのままを、言葉にして相手に伝えるということは、こうして文字で書く以上に本当に難しいものです。
なぜなら、心理カウンセリングでカウンセラーとともに探っていく「自分の気持ち」は、表面にはっきりと見えているものではなく、自分でも気づいていない想いや隠されている感情だからです。

見えない想いや感情は、言葉にすることで輪郭が明らかになります。
言葉にすることで、本当の自分自身が「そこにいる」ということがわかります。

そして、心の回復はここからスタートするのです。


言葉がまだ十分に話せない幼い子どもが、お友達と喧嘩をしてしまってつい相手を押してしまったり叩いてしまう、ということがありますね。
これは、言葉で自分を表現する力がないので、手や足を使うというその時にできる表現方法を使って思いを自分の外に出しているのです。
表現ができているという意味ではそれもひとつの成長なのですが、方法は間違っていますのでやはりそこは丁寧に教えてあげる必要があります。

実は大人も同じ。

言葉を知っていると、もっと楽に周囲に思いを伝えることができます。

周囲というのは思っているよりも「わかってくれていない」ものです。

けれども、自分のものとして確かに手に入れた「言葉」は、想像以上に周囲を動かすものなのです。


さぁ言葉で自分を取り戻しましょう。








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